後立山南部(長野) 爺ヶ岳(2669.9m) 2018年7月28日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 2:30 柏原新道登山口−−4:34 種池山荘−−5:15 爺岳中峰 5:19−−5:29 爺ヶ岳南峰(休憩) 5:41−−6:01 種池山荘 6:05−−7:11 柏原新道登山口

場所長野県大町市/富山県中新川郡立山町
年月日2018年7月28日 日帰り
天候曇後時々小雨
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場登山口前に駐車場あり(6,7台)。橋を渡った対岸の駐車場は今年は利用可能
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し。もう雪の上を歩く箇所は無い
山頂の展望大展望だが今日は低い雲が垂れこめて遠望無し
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コメント台風の襲来直前、雨が来る前に往復。超早朝に出発しどうにか小雨程度で済んだ。稜線に出てからは徐々に周囲の山々にかかる雲が増えてきて下山時は爺ヶ岳にもガスがかかり始めた。風はまださほど強くなかったが台風が接近する今夜は暴風雨だろう。それでも登ってくる登山者が数人いたのには驚いた。




まだ真っ暗 先月にはまだ立っていなかった標識
ガレた谷の雪渓は上端に迂回路あり 種池山荘前の雪は完全に消失
種池山荘。まだ周囲は薄暗い 爺ヶ岳山頂に向かう
まだ立山、剣岳は見えている
鹿島槍にもまだ雲はかかっていない
小雨が降り始めてゴアを着用 北側の空は明るいのだが・・・
冷池山荘。窓の明かりが目立つ 蓮華岳手前に縦の虹
まずは中峰(山頂)に向かう 鞍部南側の残雪
爺ヶ岳山頂(中峰) 南側を見ている。雲が厚く遠望効かず
爺ヶ岳山頂から見た南〜西〜北
爺ヶ岳山頂から見た西〜北〜東
爺ヶ岳山頂から剱岳と北方稜線
気温は10℃を切っていた 帰りに南峰に向かう
爺ヶ岳南峰 爺ヶ岳南峰から見た中峰
爺ヶ岳南峰から見たサンナビキ山周辺 爺ヶ岳南峰から見た扇沢
爺ヶ岳南峰から見た立山、剣岳。だいぶ雲が下がってきた
爺ヶ岳にも雲がかかり始めた 大パーティーが爺ヶ岳に上がっていく
種池山荘南斜面のお花畑。チングルマが中心 お花畑の下の方にコバイケイソウ
種池山荘前は大賑わい 種池
種池山荘のテント場。日陰がありそう 雨が本格化する前に下山
ガレた谷 稜線は広範囲で雲に沈む
登山口到着。登山相談所に人がいるのを初めて見た


 今週末は「逆走台風」が本州南岸を通過する予定で、天気予報は台風から離れた場所でも広範囲で雨の予報。南にいくほど雨の降りだしが早く雨量も多い予想で、登るならできるだけ北がいい。しかしアルプス最北の後立山でさえ、前日夕方の天気予報では早朝から雨の予報。しかし午後7時の予報では若干いい方向にずれて午前の早い時間帯に一時的に雨が降るが日中は曇りの予報に変わった。しかしこれは下界の予報で山の上ではずっとガスに巻かれて雨の可能性もあり、しかも台風の影響で風が徐々に強まってくるだろう。少なくとも好天が望めないのは確実で、たとえガスでもあまりがっかりしないよう、比較的短時間で登れる毎度の爺ヶ岳へ向かうことにした。

 柏原新道入口の駐車場は金曜夜にしては比較的空いていて、翌朝でもまだ空きがあったくらいなので台風の影響で登山者が少なかったのは間違いない。夜中は予想外に月が出て星も見えたが、早朝には星が見えなくなっていたので雲が出てきたようだ。でも早い時間帯には雨の心配はなさそうだ。できるだけ早く下山して雨を避けたいので2時半に出発。予定では山頂まで3時間、下山に2時間なので、雨が降って休憩無しなら最短で8時前には下山可能とみた。雨に備えて傘とゴアを持ち、どうせ山頂での滞在時間は短いし、台風からの湿った暖かい空気が入って気温は高めだろうと防寒装備はゴアに任せて超軽装とした。これだとザックは小さなアタックザックでOKとなり、雨が降ってもザックを背負ったままゴアが着用可能でザックが濡れなくて便利。

 肌の露出部分に虫よけを大量に噴霧してからまだ真っ暗な中を出発。思ったよりは気温は低めで、出だしでも大汗をかかずに済んだ。ここ2週間は白馬岳幕営だったので今日は荷物が軽く足も軽い。この天気予報でこの時間帯だし他に登山者がいるとは予想していなかったが、なんと前方に2人の単独登山者がいたのには驚いた。おそらく私と同じ考えで雨を避けるため早朝登山なのだろう。珍しくも2人とも途中で私の方が追い抜いた。これも今回は荷物が極端に軽いからであろう。まだライトを点灯して歩く時間帯に下ってきた単独男性ともすれ違った。こちらも雨を避けての行動だろう。

 徐々に上空が白み始めると稜線には若干雲がかかった場所があるが、まだ針ノ木岳には雲がかかっていないので予想よりはマシな天気らしい。しかし時間経過と共に雲がかかったり切れたりし始めて、天候は確実に下り坂だ。

 先月は大きな雪渓が残っていたガレた沢はまだ雪渓は残っていたが、雪解けが進んで雪渓上端が登山道ギリギリまで下りてきていて、登山道は雪渓上端を巻いて雪の上を歩くことは無かった。

 種池山荘に到着した時にはまだ日の出前の時刻で、小屋の光が明るかった。この時間では小屋の前の登山者の数は非常に少ない。爺ヶ岳南峰を見上げると幸いにしてまだガスはかかっていない。さて、どこまで天気が持ってくれるか。少し進んだ場所から西を見ると立山、剣岳にも雲はかかっておらず、日本海側の空は雲が少なく明るかった。

 先月は雪が残っていた小屋の南斜面はすっかり雪が消えてチングルマが中心のお花畑になっていた。下部にはコバイケイソウ。柏原新道ではほとんど風を感じることは無かったが、稜線では台風の影響で南寄りの風がやや強く体感的には寒いくらい。まだ行動に支障が出るほどではないが、天気予報では3000mの稜線では夜には風速30m近い暴風とのことだった。気温は10℃くらいで風がある状態では半袖短パンでは寒いくらいで防寒装備を装着。まさか手袋まで出番があるとは思わなかった。

 やや背の高いハイマツ帯と低いシラビソ帯を抜けて地を這うハイマツの尾根を登っていると早くも雨粒が落ちてきた。落ちてくるというよりも風に流され横から吹き付けるとの表現が正しいか。それほど雨量は多くないが南の大町市街方面を見ると雨粒で煙って霧がかかったように見えていて雨が増えそうな気配なのでゴアを着用。これで防寒装備の大半は不要になった。振り返ると蓮華岳付近に虹かかかっていた。ここからでは南峰が邪魔で見えないが、東の空は明るく太陽が顔を出しているようだ。ラッキーなことにこの時間帯が一番雨が強まった時で、その後は小雨が降ったりやんだりで下山までゴアが必要なほどの雨量にはならなかった。

 時間短縮のために往路では南峰に立ち寄らず中峰を目指す。南峰と中峰の鞍部の残雪はまだ残っていた。コマクサもまだ咲いていた。

 無人の中峰に到着。台風により近い南側は暑い雲に覆われて南アルプス、八ヶ岳どころか槍穂や常念山脈も影も形も無かった。志賀高原など東側の山も同様だったが妙高火打など北信の山々は見えていた。しかし先ほどまで山頂まで見えていた鹿島槍にも雲がかかり始めた。本格的な雨まであまり時間的余裕はないと判断し、山頂で写真撮影だけして下山開始。意外にも冷池山荘を出発したと思われる種池山荘方面に向かう登山者の姿がちらほらと見えた。

 帰りがけに南峰に立ち寄って小腹が空いたので持ってきたささやかな食糧をかじる。水も持ってきたが体感温度が低いのでほとんど消費しなかった。種池山荘方面を見下ろすと大集団がこちらに登ってくるのが見えた。

 10分ほどの休憩で出発。まだ時刻は6時前と記録的な下山開始時刻だ(笑)。天候は確実に下り坂で立山は既に雲に沈み、劔岳の頂も雲がかかり始めた。登ってきた大集団とすれ違う頃には爺ヶ岳南峰もガスに覆われてしまい、大集団は山頂に向かうグループと小屋に戻るグループに分かれていた。

 種池山荘に戻ると多くの登山者で賑わっていた。時刻からして山荘宿泊者が大半で、私と同じくこれから柏原新道を下山するのだろう。まだ時間は早いし雨はごく少量なので、せっかくなのでテント場を見てみた。ここのテント場で幕営したことはないのでテント場も見たことがないのであった。種池山荘から西に進むと縦走路から北に分岐する道があり、そこがテント場であった。予想よりは狭く2,30張程度か。しかし周囲は背の高い樹林が覆っていて、北アルプスのテント場では珍しく日中でも日影が得られるロケーションであった。ここは避暑に利用するにはいいかもしれない。樹林のおかげで風の影響も最小限に抑えられるだろう。

 柏原新道には下山方向の登山者が圧倒的に多かったが、数人の登りの人を見かけた。この時間帯では確実に悪天が見込まれるので種池山荘宿泊だと思うが、明日の台風一過を期待してだろうか。追い越した登山者数を考えると平日でも結構な人が山に入っているようだが、当然ながらリタイヤした高齢登山者が大半だった。ただし、これからは学生の夏休みになるので平日でも若者の姿が増えるだろう。

 今日は軽装だったおかげもあり、山頂で休憩したのに予定より早い時刻に下山完了。登山口には以前から登山相談所のプレハブが設置されていたが、今シーズン初めてそこに人がいるのを目撃した。やっと夏山シーズン本格化といったところか。登山口目の前の駐車場にはまだ空きがあり、さすがに台風直撃前に入山する人は少なかったようだ。でも扇沢に向かって上がっていくマイカーやバスは数多く、こんな天気でも黒四ダムは賑わいそうだ。

 

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